皆様こんにちは。社会保険労務士法人ペガサスの伴野です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、雇用保険料の引き上げについて、令和3年12月22日に行われた2022年度予算編成の閣僚折衝で協議されました。
新型コロナウイルス流行の中、従業員の雇用維持のため雇用調整助成金に特例措置が設けられたわけですが、令和3年11月26日の時点で、支給決定額は4兆9413億円となりました。国庫負担金もありますが、雇用保険料の積立金が底を突き、雇用保険料の引き上げ案が出ています。
閣僚折衝で協議された内容は以下のとおりです。
現在、事業主の料率は6/1000となっていますが、令和4年4月から6.5/1000となり、令和4年10月からは8.5/1000となる見込みです。
労働者の料率は現在3/1000となっていますが、令和4年10月から5/1000となる見込みです。
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労働者 |
事業主 |
合計 |
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失業等給付 |
育児休業給付 |
失業等給付 |
育児休業給付 |
二事業(※) |
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現行 |
1/1000 |
2/1000 |
1/1000 |
2/1000 |
3/1000 |
9/1000 |
令和4年4月〜 |
〃 |
〃 |
〃 |
〃 |
UP! 3.5/1000 |
UP! 9.5/1000 |
令和4年10月〜 |
UP! 3/1000 |
〃 |
UP! 3/1000 |
〃 |
〃 |
UP! 13.5/1000 |
※二事業とは、“雇用安定事業”“能力開発事業”の内容で事業主のみが納める保険料のことです。
雇用保険料は毎年3月31日の年度更新の際に、今年度の確定した金額と前年納めた概算の差額に併せて、次年度の概算額を一括または分割で納めています。
今年、令和4年3月31日の年度更新では、次年度の概算額において年の中途での料率変更があり、複雑になると思われます。
また、次年度の雇用保険料全体では料率が9/1000から13.5/1000となり、例年の1.5倍となる見込みです。
現在協議中のため、料率は確定していませんが、納付額が全体的に上昇することは避けられないと思われます。予算を多めに見積もっておく、年度更新書類の複雑化に備えておくなどの準備が必要だと考えられます。
当事務所において年度更新の業務委託をされている事業所様は、納付額などの事前のご質問等を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
業務委託をされていない事業所様においては、この機会にご検討されてはいかがでしょうか?ご相談をお待ちしております。